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そんな話しを聞きながら焚き火の暖かい明るさとは裏腹に
背中の後ろにはなんともいえない総毛立つような
"ぞーっ"とした寒気と暗闇が広がっておりました。
O君の話にはまだ後日談がありまして・・・。

『実はその翌年・・・だったかなぁ・・・?今度は一人で行ったんですわ』

季節は夏、確か7月も終わりに近い頃だったようです。
その日O君は一人でトレッキングし再び"あの"キャンプ場で
一泊する予定だったそうです。

キャンプ場へ向かう林道を歩いて行くと、がけ崩れのために
崩れた土砂ですっかり道がふさがっていたようです。

何とか行けそうな感じもしたのですがなにぶん一人ではあるし、
それに陽も傾いてじきに薄暗くなりなりそうでしたので無理をせず、
そのがけ崩れの地点からほんの少し戻った丁度カーブになって
斜面がいくらか洞(うろ)になっているような窪地でビバークする事に決め、
暗くなる前に焚き火の用意や夕食の準備をしたそうです。
少しばかり早かったのですが夕食も済ませ、
疲れもあってかぼんやりと焚き火を眺め座っていたようです。

夏の強い陽射しも今はすっかり落ちあたりも薄暗くなり始めた頃、
ふもとから続く右手の方から結構しっかりと登山の装備をした
4人のパーティがとしっかりとした『どっどっどっ・・・』
という足音を響かせつつ自分の前を通り過ぎようとしたそうです。

『そっちはがけ崩れで行けませんよ』

親切心と一人でいる心細さと同じ山に登るものの心得として
声を掛けたにもかかわらず、
その4人のパーティは返事もせず見向きもしませんでした。
が、ただ一人だけ2番目を歩いていた男が歩きながらも
"じーっ”DSC08384.jpg

っと睨むように見つめたままO君から目を離さず


『どっどっどっ・・・』と4人でカーブの向こうに消えていきました。


『人が親切に声掛けてやったのに、おまけに睨むなんて。なんか感じ悪ぅ』
腹立たしい想いで聞くとは無しに聞いていた足音は
丁度がけ崩れのあたりに差し掛かる頃でした。

何の躊躇も滞りもせず、足音はそのまま『どっどっどっ・・・』
とがけ崩れを通り過ぎたようでした。

さしておかしいとも思わず『行けたんやなぁ』と考えていると、
遠のいていたはずの足音は全く乱れのない同じ『どっどっどっ・・・』
と言う調子で"左手"つまり今歩いて行った方から徐々に近づき
今度は"自分の頭の上"つまり崖の上の方から聞こえてくるではありませんか。
以前にも通ったことのあるその林道はそんな所に道はないし
何よりかなりの急斜面で比較的平坦な林道と同じペースで歩けるはずも
ありません。

『どっどっどっ・・・』

先程まで崖の上でしていた足音は相変わらず同じペースで
今度は最初に4人組が姿を現した右手の方から近づいて来ます。
『どっどっどっ・・・』

DSC08386.jpg


目の前を足音だけが通り過ぎて行きます。
『どっどっどっ・・・』
徐々に足音の半径が小さくなり自分の周りを
『どっどっどっ・・・』と足音だけが回っているのです。
『どっどっどっ・・・』さらに小さくなった足音の輪はいつしか
耳元で聞こえ自分のすぐ後ろで消えました。
『うわぁぁああああ~』
Secret

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