上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
『紫親父と共に・・・』シリーズも序之巻から含めると今回で10本目。
ようやく完結となりそうです。
それでは早速始めさせて頂きます。

リリースしたヤマトイワナが無事に力強く泳ぎ去るのを見送った後、
おれ達も渓を離れ林道へ戻った。
DSC02648-1.jpg


帰りがけ途中の『あらららポイント』をしばし眺める。
DSC02589-1.jpg

実はこんな清らかな流れの中にも何処から流れて来たのか
それとも風に運ばれたのか判らないが、
レジ袋が引っ掛かっているのを行きがけに見付けてしまったのだ。

簡単に石が崩れそうで、せっかくのこの美しい景観を
おれらが取りに行く事で壊してしまったら・・・
と二人で話して行きには躊躇したのだが、
やはり此処にはあってはならないものだと思い、
極力崩さないように慎重に袋を取り除いた。

それからとりとめの無い話をしながら歩く。
そして巫女淵の延命水を殆んど空になった2ℓのペットボトル2本と
手持ちの500mlにもしこたま詰め込んだ。
DSC02570-1.jpg


林道を下りながら2年前に渓から上がったあたりを通る。
DSC02651-1.jpg

想えばあの時は半日以上渓流を彷徨っていたのに
林道に上がって戻ってみればゲートまでほんの10分程だったのだ。
DSC02652-1.jpg

自然と三峰川の懐の深さ、己の無知さ、稚拙さを痛感したものだった。
DSC02658-1.jpg

               この間あらためて『巫女淵』で検索したら、
               どうやらこのあたりもそう呼ぶらしかった。
               DSC02662-1.jpg

DSC02663-1.jpg

白拍子(巫女)の切ない伝説の往事を偲ぶ。
今のように車などあるはずも無くおそらくは
獣道位しかなかったと思われる当時、
『浦』の集落から死に場所を求め彷徨い歩く間、
白拍子(巫女)は何を想ったことだろうか?

この世の春と栄華を極めた平家の人々も移ろいゆく時の前では
成す術もなく・・・

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
娑羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
おごれる人も久しからず 唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ 偏に風の前の塵に同じ
(平家物語より)

八百年の昔も、今も・・・
人の世の戯れはさして変わらず・・・

『まこと人の世の習いとは儚く哀れなものよのう・・・』と
太古の昔からそこに居る、あの岩山が笑っているようだった。
DSC02667-1.jpg

『ほんに、ほんに・・・』と2年前と変らぬ顔で
こちらの岩肌も静かに頷いているようだった。
DSC02669-1.jpg

              DCP_4655.jpg

2年前には底の石も"びろうど"の水の幕に覆われていたが
DCP_4654.jpg

                  DCP_4670.jpg

少ない水量の為かいくらか垣間見る事ができた。
DSC02671-1.jpg



ゲートから駐車場へ戻る。
元からあった車と後から来た様子の地元ナンバーの車が増えていた。
どうやら先ほどの釣り人は地元の人間のようだった。

残っていた食料で空腹を満たす。昼食なのかおやつなのか判らない。
雨がまた落ちてきた。
昼寝を始めた紫親父を車に残し駐車場の脇の渓で
再び『うろつかみ』を始める。雨のせいか流れは濁っていた。
何度か石の下を探ってみるがさっぱりなのと雨も激しくなってきたので
車に戻り昼寝をする事にした。

車の屋根に当たる雨音が心地よい。
疲労も手伝っていつしか眠りに落ちた。
どのくらい眠った事だろう?
時計を見ると僅かだったがとても長い事眠っていたように思えた。
いつの間にか雨も止んでいた。

時間もいい時間になったので、いつもの堰堤の脇で待機する為に
駐車場を後にする。


いつもの堰堤の脇の広場でしばらく待機する。再び・・・
雨が激しく降ってきた。
しばらくすると雨も上がってイブニングに程よい時間も
近づいたので外に出て準備をする。

樹々?から立ち上る霧を見て紫親父が
DSC02674-1.jpg

『ああいうのは樹が余分な熱を吐き出してるって聞いたけど、どうなの?』
とおれに訊ねるので
『えぇ?そんなの初めて聞いたけど。
ありゃぁ下の醗酵してる腐葉土に雨が当たって出てるんじゃねぇのぉ?』と答えた。
でも見ていたら上の葉っぱの辺りから出ている霧もあったので
『そんなのもあるかもね、わかんねぇけど』と答えた。

準備も出来たので草や潅木だらけの急な斜面を下り
堰堤の落ち込みの処へ行く。
準備をしていると紫親父が『あの辺で釣ったら釣れるで』と
指し示してくれた。左岸側の端の方だ。
そう言うと自分は少し下流の方へ下りていった。

端の方から何回かキャステイングをすると魚が寄ってくるのが
初めて見えた。
何度かフライを突付いているが、なかなか食わない。
何回目かで『ぐっ』と食いついた感触がロッドに伝わったので
慌てて思い切り引き上げたら一本釣りのように後ろに飛んでいった。
フライフィッシングでのおれの初釣果だ。
DSC02675-1.jpg

そんなおれの様子を見ていた変らぬ友の笑顔が
薄暗くなった夕暮れの渓流を明るく燈しているように見えた・・・・。
Secret

TrackBackURL
→http://kojizou.blog25.fc2.com/tb.php/317-4c3cdbb3
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。