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(撮影:紫親父)

しばらく『うろつかみ』を続ける。渓の流れは相変わらず濁っている。
さっきまで照りつけていた夏の強い日差しも
いつしか広がった雲に遮られいくらか暑さも和らいだ。

次の石の下に手を突っ込む。隙間はない。
次の石・・・居ない。次・・・居た!がすぐに逃げられる。
次、また居た!がこれも僅かに触れただけで逃げられる。
3つ4つと石の下に肩まで濡らしながら手を入れる。
『居る!居る!』と言いながらも一人芝居をしているようで何としても捕まえたくなってきた。

5つ目くらいの石の下の隙間を探ると・・・。
『居た!』それもなんだかでかそうだ。

わき腹の辺りまで濡れるのも気にせず、さらに奥に手を入れる。
反対側からも右手で探るが隙間が僅かで手は入らない。
何とか掴もうとするが相手も逃げようと狭い隙間で必死に身をくねらせる。
『あっ!』
僅かな石と手間隙をぬって『するり』と抜けていく感触。
『ちきしょう!』
幸い紫親父が休んでいる浅瀬の方へ逃げて魚の姿がはっきり見えた。
なんとか追い込みたかったが、いつしか再び何処かの石の下へ潜り込んでしまった。
しかしながらほんとに居た事を見せられたので少しは満足した。
『ありゃ、尺はあったで!』と紫親父は喜んでいた。
この僅かな範囲の中に、これだけ魚が居るのは凄い!と紫親父が言った。
それから上流の方を探るが警報が出たのかさっぱり居なくなってしまった。

捕まえたかったが居ないのでは勝負にならない。
身支度を整え再びすぐ脇の林道へ戻る。
緩いカーブを描きながら道は登りになっていた。
坂を上ると右手に支流があるのが登山道の案内看板からわかった。
そのすぐ先に休憩場所からも見えた橋があった。

橋の上から『こっちの支流と本流が合流して泡立ってる・・うんぬんかんぬん・・・』
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と紫親父が説明してくれた。
紫親父があそこへ下りてみようと言った。下りられそうな処を探す。
結局、さっき休んでいたあたりまで引き返して渓流の脇を歩く。
ほどなく橋の上から見た合流地点の泡立っているあたりに着いた。
紫親父が早速ロッドを振る。
とりあえず荷物を降ろして持ってきた『その他の雑種②』や水を
渓の水で冷やし、おれも竿を振ろうと渓の中ほどへ行くと
大石の下あたりから魚が走るのが見えた。

紫親父はキャステイングしながら右手の支流へ分け入っていく。
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本流よりさらに水が冷たい。
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おれもキャスティングするが絡まったり石を釣ったりで
なかなか上流へ上がっていけない。

ふと下流のバッグを置いてあるあたりを見ると、カラスが舞い降りるのが見えた。
『やばい!』どうやらおれらの昼飯のパンを狙っているようだ
慌ててはいるがなかなか辿り着けず、
ようやく着いた頃にはおれらの昼飯は見事に食われていた。
ちっくしょー!
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しばらくすると紫親父が下ってきた
『なんか釣れすぎて申し訳なくなる。意欲がなくなるわ』と言った。
『何騒いでたん?』
事情を説明すると大笑いしながら
『まったく昼飯の番もようでけんのか!』
わははは。


辛うじてベストに入れておいた朝おれが食いかけたパンを二人で分ける。
渓の水でしっかり冷えた『その他の雑種②』と食いかけのパンと
清浄な景色と良き友。何よりである。
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上空でカラスが舞っていたので2人で『このやろう!』と石を投げる。
当たりっこないが・・・まぁ、お世話になってる山の神々への
少しばかりのお供え物と思えば好いか・・・。


昼飯とも呼べぬ簡単な食事を済ませ、紫親父が再び目の前の渓でキャスティングする。
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昼休み代わりのキャステイングを終え、
身支度してロッドを振りながら上流へ釣り上がる。
相変わらずおれは釣れる気配すらない。
紫親父はと言えば既に100m程上流へ釣り上がっている。
しばらく合流点の少し上流あたりでうろうろしていると
下流から釣り人が来るのが見えた。

気にせずキャスティングしているとさっきの釣り人が近づいて来た。
一応簡単な挨拶を済ませると、やけにぐいっと近づいてくる。
『釣れてますか?ヤマト出てるでしょう?』と聞かれたので
『いや、おれは初心者だから・・彼はそっちの沢で10匹くらい
あげたみたいですよ』
とそっけなく答え上流にいる紫親父を指す。
何となくそんな事を教えるのも嫌だった。

『荒川で出てるんですね』と言い残し消えていった。
何となく醸し出すガツガツ感がとても嫌だった。

おれがキャステイングしているにもかかわらず
一声かけてからでもなく自分の周りのこれ以上近づいたら気色悪い
と言うテリトリーの中まで遠慮も無くずけずけと入り込んできたのも、何となく嫌だった。

一人でぶつくさ言いながら相変わらず魚を釣るという行為より
キャスティングしてフライが流れるのを見て楽しんでいるおれ。
そのうちに上流から紫親父が戻ってきた。

釣り人が来た事を告げさっき釣っていた支流が『荒川』と言うらしい事、
何となく嫌な感じがしてあまり語らなかったような事を告げる。
『優しくねぇなぁ~』と言うので『自然の中ぢゃ自分で探すんだよ』
と訳の判らん事を言った。

結局おれは『釣らねば!釣らねば!』のあのガツガツ感と
人が竿を振っているところに一声かけるでも無くいきなり近づく
さっきの釣り人の無遠慮さが嫌だったのだ。

自然の中で色んな楽しみ方があるのは別に構わないと思う。
それは人それぞれだから・・・。
でも、もっと大らかでもいい気がする。
なんかあんな自然の中でもがっついてるのが無性に苛立たしかった。

もう沢山魚の顔を見られたんで充分満足!とご満悦だった。
おれも存分に魚に直に触れらたんで大満足だった。
ぼちぼち下ってイブニングに備えよう、と言う紫親父の言葉に
異論があるはずも無く下流へ下りだした。

浅瀬のこの辺りで紫親父がキャステイングする。
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ほんの数回キャステイングしただけで、いきなり釣れた!
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          尺はあるらしい
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すげぇぢゃん!              
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お供え物が効いたのかも・・・。
何も言わないが岩肌は笑っているようだった・・・。
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