かなり涼しくなってきました・・が・・まだまだ続けさせていただきます。 五之巻
ますます研ぎ澄まされていました。
他にも色々話したような気がしますが、
なにぶん随分以前の事なので内容は忘れてしまいました。
当時の私は、今ほど・・・まぁ今もそれほどあるとは言えませんが
そのような体験もほとんどなかったので人から聞いた話が大半でした。
そんな私がこの晩、その後、こらから書くような体験をするとは
この時点では夢にも思いませんでした。
時間を見ると1時を少し回っておりました。
丑三つ時も近づき大分酔いも回ってきていましたので
『眠くなってきたしそろそろ寝るべか』
と私が言うとシゲちゃんは
『俺、帰る・・・』
『えぇー!、おれのテントでなら寝られるじゃん!
まぁ、おめぇは呑んでねぇからいいけど・・・途中の道おっかねぇじゃん』
『だいじょうぶ、だいじょぶ、明日の朝また来るね』
と言い残しシゲちゃんは車に乗り込み帰っていきました。
残ったO君と私は
『えぇー!ほんとに帰ったよ、こえぇなぁ〜。あいつはあほだぁ〜!
いやぁ〜、しかしO君の話はこえぇわ!
んじゃまぁ寝るべか、面白かった!またやろうね!』
『そうですなぁ、寝ましょ。寝ましょ。』
と各々のテントに入り眠る準備をはじめました。
私のテントは一応3〜4人用、O君のテントは芋虫と言うか
モスラみたいな形をした1人用のテントで
2張りのテントの間隔は1mあるかないかでした。
O君の方へ足を向けて眠るのも何だか申し訳ないような気がしたし
何となく心細いのもあって頭をO君のテントのほうに向け
頭と頭をつき合わすような形でシュラフ潜り込みました。
ナイロンの薄い布切れ1枚でも(フライシートもあるんで厳密には2枚だけど・・・)
テントに入ってシュラフにもぐりこんで横になっていると
蓑虫みたいに全身を包まれている感じと暖かさもあって
不思議と安堵感がわいてくるものです。
隣と言うか頭の1mほど先のO君のテントからも
眠る準備をしている衣擦れの音が聞こえました。
先程までの恐怖体験の話しもあえて頭から消し去り
他の楽しい話など想い出していると酔いも手伝って
かなりいいご機嫌になってきましたので
さぁ寝るかと灯りを消しました。
O君も既に灯りを消していたようで、途端にテントの中も
薄い生地のテントの外側と同じ漆黒の闇に包まれました。
『ぼそ・・ぼそ・・』
O君のテントから、ほんとうに微かで小さな呟きが聞こえました。
『何か言ったぁ?』
『・・・・・。』
返事はありません。
『何か言ったぁー?』
『・・・・・。』
やはり返事はありません。
風もないようで水路を流れる水音が近くの山にこだまの様に響くだけで
あたりは静寂に包まれています。
『なんだぁ、寝ちまったのかぁ?、まぁいいや』
と、ぶつぶつ呟きながら、さして気にも留めず
酔いと疲れで私はいつしか深い深い眠りへと落ちていきました。
テーマ:本当にあった!怖い話 - ジャンル:謎






